椎名林檎がデビュー20周年だから彼女の作品を振り返ろう

椎名林檎がデビュー20周年を迎えて各ストリーミングサービスで全曲配信が開始された。
この20年で日本を代表する音楽家になった彼女。
これを機に今一度彼女の作品を振り返りたい。

もし椎名林檎の音楽を通らずに青春を過ごしてきた人がいたら今聞いとけ。これは絶好のチャンス。




幸福論

デビュー曲。
女性シンガーソングライターは恋の歌で売り出される。
それは当時も、そして椎名林檎も例外ではなくデビューは恋愛ソングである。

この頃から既に言葉のセンスが頭一つ抜けている。
幸福論ってタイトルをデビュー曲につけられるのは彼女くらいだ。
椎名林檎が紡ぐ言葉の文学性は本当に異彩を放っていて、その片鱗がすでにこの曲からもうかがえる。
純愛を歌っているし簡単な言葉を選んでいるけれど、どこか小説的というか。

“時の流れと空の色に何も望みはしない様に”という一節でサビの前半を使い切ってしまうのも彼女らしくていい。

本能

椎名林檎を世間に周知したのはこの曲だ。
アルバム「無罪モラトリアム」がヒットした流れをそのままに椎名林檎とは何者かを知らしめた。

彼女が持つ独特のエロスが全面に出てるPV。そりゃ流行るわ。

亀田誠治の編曲がすごい。
当時椎名はまだ若かったし、この曲を作ったのもおそらくギターかピアノ一本で作ったんじゃないかと予測しているが、編曲によって椎名の持つ妖しい世界観が巧みに表現されている。
椎名林檎は亀田と組んだからこそブレイクしたと言っても過言ではないだろう。

ソロ活動休止や東京事変でのバンド活動を経て、2009年に6年ぶりのオリジナルアルバム「三文ゴシップ」をリリースした彼女。
旬はそのアルバムのリード曲である。

椎名林檎、年を経て明らかに大人の女性になっている。
本能やギブスの頃も確かに色気は抜群に持ち合わせていたが、その時代は”大人びた少女”といった立ち位置だろうか。
現在の椎名林檎の系譜はこのアルバムから始まっていると思う。

彼女のトレードマークだったはずの”鋭さ”はいつの間にかなくなっていた。
こんなにも優しい曲をリード曲に据えられる、”艶やかさ”が新たな魅力となった一曲だ。
僕は椎名林檎の曲ではこの曲を一番聞いています。




NIPPON

やばい、椎名林檎の才能が止まらない。

この曲以前に自由へ道連れという曲も配信でリリースしているのだが、その辺りから突然ゴリゴリのギターが目立つようになってきた。
NIPPONも同様にギターが目立つイケイケのロックサウンドである。
キャリア初期の頃もエレキギターをかなり使用していたがそれとはまた種類の違う音楽で、きらびやかなロックというか、ゴージャスさが凄い。

こういう音楽は彼女のカリスマ性があるからこそ似合う音楽だと思う。
他の誰がやってもサマにならない。
媚びずにキャリアを積み上げてきた彼女しか歌えない曲だ。

NIPPONはクールなイメージの椎名が振り絞るように歌っているのが印象的。
生と死というテーマを言葉だけでなく歌でも表現できてるのが本当にすげえ。

長く短い祭

オートチューンも使い始めた椎名林檎。
いよいよ彼女に表現できないジャンルは無くなってきた。

椎名林檎はいつもラスサビで転調するけどなんで飽きないんだろうかとこの曲をはじめて聞いた時に不思議に思った記憶がある。
同じような構成で作っても全く違う曲に仕上げられるのが彼女の素晴らしいところだ。
この曲は普段のシングルに比べるとメロディーと歌詞がすごくキャッチーで、しかもダンスミュージック。
現代的なニュアンスを入れつつも彼女の世界観は崩さない。
オンリーワンという言葉が本当に良く似合う。

5曲だけではあるが彼女のキャリアを振り返るに当たって絶対に無視できない曲をピックアップしてみた。
もちろん東京事変での活動でも椎名林檎は素晴らしい楽曲をたくさん生み出しているが、それはまた別の機会に紹介させてもらいたい。

この記事を読んで懐かしい気分に浸ったり、こんな魅力的な曲があったのかなどと気づいてくれると幸いだ。

オモテ

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