日本橋高架下R計画が過小評価されすぎている

日本橋高架下R計画という曲がある。これだ。

公式のMVはショートバージョンしかないので、是非各々でフルで聞いていただきたい。

個人的にこの曲はボーカロイドを使用した曲の最高峰だと思っている。

日本橋高架下R計画はじん(自然の敵P)によって2012年に発表された楽曲である。「カゲロウデイズ」で有名なあのじんだ。
そんな彼が作ったこの曲、良くない?

ボーカロイドが嫌いな人もいると思うんだが、色眼鏡なしで見てほしい。
この楽曲はとても質の高いポップスだ。

ボーカロイドをアイドルとして捉えている人、ただのソフトとして捉えている人、そもそも興味がない人。色々な人がいると思う。
僕はボーカロイドを楽器の一つとして認識している。
エレキギターにストラトキャスターやレスポールがあるように、ボーカロイドには初音ミクや巡音ルカがいる。
曲によってギターを持ち替えるように、曲によって使うボーカロイドを変えている。
ボーカロイドという楽器の音色と最もマッチしているのがこの日本橋高架下R計画という曲ではないだろうか。




まず曲の頭を聞いてほしい。
ギターと様々な効果音がステレオで鳴っていて、まるでリズム楽器かのような軽快さを生み出している。
もうこの数秒でじんは天才だと分かる。こんなの誰にも作れない。
そしてこの唯一無二の雰囲気に合うのは、人間の声ではなくボーカロイドじゃないですか?
人が歌ってたらきっとこのファンタジックでポップな雰囲気ではなくなる。
IAというボーカロイドが歌っているからこそ非日常に引き込まれる。

じんはボーカルパートの言葉選びが上手い。たとえば、

愛なんて信じちゃいけないよ?
その雰囲気(ムード)はちょっとダサいね

濁っちゃった空気は知らないよ
無視してさ、進もう

この部分。”信じちゃ”とか”濁っちゃった”などの拗音を使って、イントロから持ってきた可愛らしい雰囲気を壊さずリズム隊を入れることに成功している。
これがもし人間がボーカルだったら少し変わる。おそらく「可愛い子ぶってる」「ぶりっ子に聞こえる」という印象を無意識にでも持たれるだろう。
でもボーカロイドだったら全く嫌味なくないですか?すごく自然ですよね。

そしてサビ。
相変わらずのファンタジー感、異世界感、非日常感。でもポップ。
効果音は入っておらず、ギター・ピアノ・ベース・ドラムというシンプルな編成だ。
ではなぜこの雰囲気が出せるのか。

それは、ボーカロイドだから。

この曲はボーカロイドだから(もっと言うとIAだから)完成している曲であって、人間の代わりにボーカロイドを使っているわけではないのだ。ボーカロイドじゃないとダメなのだ。

引き合いに出して悪い気もするが、2017年にヒットしたハチの砂の惑星という曲。

これ、ミクである必要はある?
米津、お前が歌えばよくないか。

このような「ボーカロイドじゃなくてもかまわないボーカロイド曲」ばかりが世の中に出回っている。
日本橋高架下R計画は違う。

歌詞とメロディと楽器と、ボーカロイド。あるいはMVも含めて一つの作品になっている。

僕はこの曲が大好きなんです。
少し長くなってしまったので今日はこの辺で。
それでは。

オモテ

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